Himalaya: Listen. Learn. Grow.

4.8K Ratings
Open In App
title

オーディオドラマ-五の線2

闇と鮒

48
Followers
3.5K
Plays
オーディオドラマ-五の線2

オーディオドラマ-五の線2

闇と鮒

48
Followers
3.5K
Plays
OVERVIEWEPISODESYOU MAY ALSO LIKE

Details

About Us

熨子山連続殺人事件から3年。

金沢港で団体職員の遺体が発見される。他殺の疑いがあるこの遺体を警察は自殺と判断した。相馬は、その現場に報道カメラのアシスタントとして偶然居合わせた。その偶然が彼を事件に巻き込んでいく。

石川を舞台にしたオーディオドラマ「五の線」の続編です。

※この作品はフィクションで、実際の人物・団体・事件には一切関係ありません。
【公式サイト】 http://yamitofuna.org

【1話から全部聴くには】http://gonosen2.seesaa.net/s/

Latest Episodes

127.1 第百二十四話 前半

25.1.mp3 金沢駅近くの会館。この一階の大ホールに大勢の人間が集まっていた。コミュの定例会である。参加者は先日のものより数段多い。これも岩崎香織が電波に乗った効果なのだろうか。 「みなさん。こんばんわ!」 司会者が参加者に向かって大きな声で挨拶をするとそれに参加者は同じく挨拶で応えた。 「いやー今日は随分と参加者が多いですね。特に男性の方がいつもより多い気がします。」 彼がそう言うと参加者はお互いの顔を見合った。 「やっぱりなんだかんだと言ってテレビの影響力ってすごいんですね。試しに聞いてみましょうか。今日始めてここに来たっていう人手を上げてみて下さい。」 半数が手を上げた。 「なるほどー。じゃあ今手を上げた人たちにもうひとつ聞いてみましょうか。岩崎香織を見てみたいって人は手を上げてみて下さい。」 全員である。 「いやー岩崎人気はすごいですね。」 ステージの裾の方にいた村井は腕時計見目を落とした。そして側にいたスタッフに声をかける。 「インチョウは。」 「駄目です。携帯の電源が切られてます。困りましたね。」 「…何なんだよ。こんな大事な時に。」 「連絡が取れんがですから。仕方が無

10 MIN2017 NOV 5
Comments
127.1 第百二十四話 前半

127.2 第百二十四話 後半

25.2.mp3 7時間前 12:00 「1512室ですか?」 「はい。」 「失礼ですがお名前をお願いします。」 「岡田と言います。」 「岡田様ですね。失礼ですがお名前もいただけますか。」 「圭司です。」 「岡田圭司様ですね。しばらくお待ちください。」 ホテルゴールドリーフのフロントの女性は受話器を取って電話をかけはじめた。 「フロントです。ロビーにお客様がお見えになっています。はい。ええ男性です。岡田さんとおっしゃるそうです。ええ。はい。かしこまりました。それではお部屋までご案内致します。」 女性は電話を切った。 「私がご案内いたしますので、一緒に来ていただけますか。」 「え?どこか教えてくれれば自分で行きますけど。」 「当ホテルのスイートルームになりますので、私がご案内いたします。」 「スイート?」 エレベータを5階で降りそのまま廊下をまっすぐ奥に進むと、いままであった部屋のものとは明らかに作りが違うドアが現れた。重厚な作りの観音扉である。女性はインターホンを押した。暫くしてその扉は開かれた。 「おう。」 「え?」 扉を開いたのは数時間前まで捜査本部に岡田と一緒にいた、県警本部の捜

22 MIN2017 NOV 5
Comments
127.2 第百二十四話 後半

128.1 最終話 前半

26.1.mp3 コミュの会場となった会館前には複数台のパトカーが赤色灯を灯して駐車していた。会館には規制線が敷かれ関係者以外の立ち入りは厳禁となっている。週末金沢駅の近くということもあって、このあたりで仕事帰りに一杯といった者たちが野次馬となって詰め寄せていた。規制線の中にある公園ベンチには、背中を赤い血のようなもので染め、遠くを見つめる下間麗が座っていた。 「ついては岡田くん。君にはこの村井の検挙をお願いしたい。」 「罪状は。」 「現行犯であればなんでもいい。」 つばを飲み込んで岡田は頷いた。 「よし。じゃあ君の協力者を紹介しよう。」 「え?協力者?」 奥の扉が開かれてひとりの女性が現れた。 「岩崎香織くんだ。」 岩崎は岡田に向かって軽く頭を下げた。 「岩崎…?」 ーあれ…この女、どこかで見たような…。 「近頃じゃネット界隈でちょっとした有名人だよ。」 「あ…。ひょっとしてコミュとかっていうサークルの。」 「正解。それを知っているなら話は早い。そのコミュってのが今日の19時にある。そこにはさっきの村井も共同代表という形でいる。」 「村井がですか?」 「ああ。」 「君には岩崎くとにコ

14 MIN2017 NOV 5
Comments
128.1 最終話 前半

128.2 最終話 後半

26.2.mp3 「12月24日お昼のニュースです。政府は24日午前、2015年度第3次補正予算案を閣議決定しました。今回の補正予算は今年10月に国家安全保障会議において取りまとめられた「日本国の拉致被害者奪還および関連する防衛措置拡充に向けて緊急に実施すべき対策」に基づいた措置を講じるためものです。 この予算案では先ごろ国内で発生したツヴァイスタンの工作員によるテロ未遂事件を受けてのテロ対策予算の拡充として500億円。ツヴァイスタンに拉致された疑いがある特定失踪者の調査費として28億円。近年日本海側で脅威となっている外国船の違法操業対策および外国公船の領海侵入対策として海上保安庁の予算を新たに1,000億円追加します。あわせてツヴァイスタン等によるミサイルの脅威に対抗するため、新たに5兆円の防衛予算を措置します。防衛予算においては国際標準である対GDP比2%の達成を継続的に維持するため、来年度の本予算においては今回の補正予算の5兆円を既に盛り込んだ10兆円とする予定です。これで今回の補正予算における予算額は合計で5.1兆円となります。これはリーマンショック以降の補正予算としては過去最

18 MIN2017 NOV 5
Comments
128.2 最終話 後半

125 第百二十二話

23.mp3 霞が関合同庁舎の前に立った片倉は、登庁する職員に紛れていた。皆、言葉も何もかわさずただ黙々と歩き続ける。立ち止まった彼はおもむろに携帯電話を取り出して電話をかけた。 呼び出し音 「片倉です。おはようございます。」 「おはよう。いまどこだ。」 「公庁の前です。」 「なに?予定は15時だぞ。」 「なにぶん不慣れな東京です。昨日の夜金沢出て車で休み休み来ました。」 「車?」 「はい。これがあと半年先ですと北陸新幹線で2時間半とちょっとでここに来ることができたんかもしれませんが。」 「北陸新幹線な…。」 「まぁ部長との予定の時間まで随分ありますから、それまでどっかのネットカフェで休憩でもとります。」 「待て。せっかく来たんだ。俺の部屋まで来い。」 「え?」 「こっちも遠路はるばるお前が来るから、何かおもてなしをしないとと思って、その準備をしようとしていたところだ。」 「そんな…気を遣わんでも…。」 「こんな時間にまさか貴様が来るとは思わなかったから、何の準備もできていないが、空調が効いた部屋にいるほうがお前も疲れがとれるだろう。」 「あ…いいんですか?こんな田舎のいちサツカンが部

16 MIN2017 NOV 5
Comments
125 第百二十二話

126.1 第百二十三話 前半

24.1.mp3 ドアをノックする音 「来たか。」 朝倉はドアに向かって部屋に入るよう言った。 長身の男がドアを開け、ゆっくりとした動作で部屋に入ってきた。 「え…。」 片倉の存在に気がついた男は思わず立ち止まった。 「なんでお前がここに…。」 「これは…どういうことなんや…。」 「部長。これはどういうことですか。」 男は不審な顔で朝倉を見るが彼は意に介さない。 「片倉。この男に見覚えがあるだろう。」 「…え…。」 「紹介しよう。直江首席調査官だ。」 朝倉は直江に片倉に挨拶をするよう促した。 「…直江真之です。いつぞやはお世話になりました。」 「直江…やっぱりあん時の…。」 「朝倉部長。これはいったいどういうことですか。」 直江の顔には朝倉に対する不信があからさまに出ていた。 「貴様の代わりだよ。」 「え?」 「モグラは退治しないとな。」 「モグラ?」 朝倉のこの発言に片倉は絶句した。 「え…。」 「調査対象であるコミュに調査員を派遣させるも、奴らは常にそれを察知していた。」 「なんやって…。」 「公調の動きがどうも奴らに筒抜けになっている。そう考えた俺は警察を装って内密に金沢銀行にコ

10 MIN2017 NOV 5
Comments
126.1 第百二十三話 前半

126.2 第百二十三話 後半

24.2.mp3 「若林くん。朝倉部長に聴かせてあげろ。」 「はい。」 携帯電話を取り出した若林もまた、応接机の上にそれを置いた。 「工夫しろ若林。」 「あまり事を荒立てるなといっただろう。」 「ですが、あまりに突然のことでしたので。」 「その後の工夫が足りんと言ってるんだ。」 「はっ。もうわけございません。」 「しかしお前は籠絡だけは上手い。」 「ありがとうございます。」 「だが程々にしておけよ。あまり深入りすると足がつく。」 「何せ公安の奥方ですからね。」43 音声を聞いた片倉の表情が変わった。 「公安の…奥方…?」 「なんだ若林。」 「今もまだベッドでぐっすり寝ていますよ。そろそろ帰らないといけないんですが。」 「くくく…。」 「いやぁ40しざかりって本当なんですね。」 「そうか…。そんなにか。」 「ええ。ちょっとこっちが引くくらいでした。」 「はははは。この下衆男め。」 いつになく朝倉の表情が豊かである。 「部長。これは仕事です。」 「ああわかっている。からかってすまなかった。」 「こっちも必死なんですよ。何とかして奮い立たせないといけませんから。」 「ふふふ...今日のお前は

19 MIN2017 NOV 5
Comments
126.2 第百二十三話 後半

124 第百二十一話

22.mp3 「下間確保しました。」 「了解。」 「これからマサさんと下間の通信手段を抑えます。」 「わかった。くれぐれもホンボシに感づかれないように注意しろ。」 「了解。」 土岐は無線を切った。 「いい流れだね。」 「はい。」 県警本部長室の中には各種無線機が並べられ、数名の捜査員が詰めている。その中で本部長の最上と警部部長の土岐は向かい合うようにソファに掛けていた。 「七里君は?」 「安全なところに匿っています。」 「江国は?」 「情報調査本部の取調室です。今川逮捕と橘刑事告発の話を聞いてシステム改竄についてすぐにゲロしました。」 「ほう。」 「今川から県警システムの受注話を聞いたときから、鍋島の指紋情報を都合よく改竄できるよう細工を施していたようです。」 「そうか。」 「HAJAB成長の鍵を握っていた今川を抑えられ、金沢銀行システムの斡旋窓口だった橘がやられたとなると、流石に江国もどうにもならずに早々に敗北を認めたというところですか。」 「そういうところだろうな。」 「それにしても一色貴紀という男をとりまく人物のその…絆とでも言うんでしょうか…。どうしてここまで人を動かすんでしょ

15 MIN2017 NOV 5
Comments
124 第百二十一話

122 第百十九話

20.mp3 「こいつとお前を殺す。」 銃口を向けられた古田は微動だにしない。 「…心配するな一瞬だ。」 「ふっ…。」 「なんだ。」 「最後の最後でチャカか。あ?鍋島。」 「なんだてめぇ。」 「お前は散々人を殺めた。その手口は全て絞殺もしくは刺殺。チャカは使わん。そんなお前がここにきてチャカを手にした。」 「だから何なんだ。」 「相当切羽詰まっとれんな。」 「うるさい。」 古田は右拳を鍋島に向けて突き出した。 「あん?」 「鍋島。これに見覚えがあるやろ。」 そう言うと古田は握りしめていた右手を開いた。 それを見た鍋島の動きが一瞬止まった。 「村上が使っとったジッポーや。」 「それがどうした…。」 「お前が目指した残留孤児の経済的自立。それを支援しとった村上のな。」 「言うな。」 「お前が金金言うとる横で、村上は仕事を斡旋したり本当の意味でのあいつらの自立支援に取り組んどった。自分の金を持ち出してな。」 「…。」 「熨子山の塩島然り、相馬然り。村上の世話になった人間は数しれん。」 「相馬…だと…。」 「それがどうや。お前はそんな村上を殺した。それがもとで相馬は会社を厄介払いされた。そん時

24 MIN2017 NOV 5
Comments
122 第百十九話

123 第百二十話

21.mp3 「ご苦労さん。トシさん。今どこや。」 「病院や。」 「傷は。」 「幸い大した事ない。」 「…良かった。いきなりガサッっていってトシさんうめき声出すんやからな。」 「ふっ。ワシも長いサツカン人生で撃たれたのは初めてやわいや。こんでしばらく手は上がらん。」 「痛いんか。」 「あたりめぇや。だらほど痛いわ。」 「ほんだけ元気があるんやったら、すぐにでも復帰できそうやな。」 片倉は煙草を咥えた。 「トシさんを撃って、すぐさま鍋島の頭を撃ち抜く。悠里のやつここまでの腕を持っとったとはね。」 「あぁ得物はVSSらしい。」 「VSS?」 「あぁワシはその手の重火器についてはよく分からんが、SATの詳しい奴が言うにはロシア製のもんらしい。なんでも開発時に要求されたんは「400メートル以内から防弾チョッキを貫通する完全消音狙撃銃」。(出典https://ja.wikipedia.org/wiki/VSS_(狙撃銃))悠里が狙撃をしたんは丁度400メートル離れたマンションの屋上。そこから射程ギリギリの標的を見事狙撃するわけやから、あいつの腕は恐ろしいもんやと。」 「ほうか…。」 「こんだけの

18 MIN2017 NOV 5
Comments
123 第百二十話

Latest Episodes

127.1 第百二十四話 前半

25.1.mp3 金沢駅近くの会館。この一階の大ホールに大勢の人間が集まっていた。コミュの定例会である。参加者は先日のものより数段多い。これも岩崎香織が電波に乗った効果なのだろうか。 「みなさん。こんばんわ!」 司会者が参加者に向かって大きな声で挨拶をするとそれに参加者は同じく挨拶で応えた。 「いやー今日は随分と参加者が多いですね。特に男性の方がいつもより多い気がします。」 彼がそう言うと参加者はお互いの顔を見合った。 「やっぱりなんだかんだと言ってテレビの影響力ってすごいんですね。試しに聞いてみましょうか。今日始めてここに来たっていう人手を上げてみて下さい。」 半数が手を上げた。 「なるほどー。じゃあ今手を上げた人たちにもうひとつ聞いてみましょうか。岩崎香織を見てみたいって人は手を上げてみて下さい。」 全員である。 「いやー岩崎人気はすごいですね。」 ステージの裾の方にいた村井は腕時計見目を落とした。そして側にいたスタッフに声をかける。 「インチョウは。」 「駄目です。携帯の電源が切られてます。困りましたね。」 「…何なんだよ。こんな大事な時に。」 「連絡が取れんがですから。仕方が無

10 MIN2017 NOV 5
Comments
127.1 第百二十四話 前半

127.2 第百二十四話 後半

25.2.mp3 7時間前 12:00 「1512室ですか?」 「はい。」 「失礼ですがお名前をお願いします。」 「岡田と言います。」 「岡田様ですね。失礼ですがお名前もいただけますか。」 「圭司です。」 「岡田圭司様ですね。しばらくお待ちください。」 ホテルゴールドリーフのフロントの女性は受話器を取って電話をかけはじめた。 「フロントです。ロビーにお客様がお見えになっています。はい。ええ男性です。岡田さんとおっしゃるそうです。ええ。はい。かしこまりました。それではお部屋までご案内致します。」 女性は電話を切った。 「私がご案内いたしますので、一緒に来ていただけますか。」 「え?どこか教えてくれれば自分で行きますけど。」 「当ホテルのスイートルームになりますので、私がご案内いたします。」 「スイート?」 エレベータを5階で降りそのまま廊下をまっすぐ奥に進むと、いままであった部屋のものとは明らかに作りが違うドアが現れた。重厚な作りの観音扉である。女性はインターホンを押した。暫くしてその扉は開かれた。 「おう。」 「え?」 扉を開いたのは数時間前まで捜査本部に岡田と一緒にいた、県警本部の捜

22 MIN2017 NOV 5
Comments
127.2 第百二十四話 後半

128.1 最終話 前半

26.1.mp3 コミュの会場となった会館前には複数台のパトカーが赤色灯を灯して駐車していた。会館には規制線が敷かれ関係者以外の立ち入りは厳禁となっている。週末金沢駅の近くということもあって、このあたりで仕事帰りに一杯といった者たちが野次馬となって詰め寄せていた。規制線の中にある公園ベンチには、背中を赤い血のようなもので染め、遠くを見つめる下間麗が座っていた。 「ついては岡田くん。君にはこの村井の検挙をお願いしたい。」 「罪状は。」 「現行犯であればなんでもいい。」 つばを飲み込んで岡田は頷いた。 「よし。じゃあ君の協力者を紹介しよう。」 「え?協力者?」 奥の扉が開かれてひとりの女性が現れた。 「岩崎香織くんだ。」 岩崎は岡田に向かって軽く頭を下げた。 「岩崎…?」 ーあれ…この女、どこかで見たような…。 「近頃じゃネット界隈でちょっとした有名人だよ。」 「あ…。ひょっとしてコミュとかっていうサークルの。」 「正解。それを知っているなら話は早い。そのコミュってのが今日の19時にある。そこにはさっきの村井も共同代表という形でいる。」 「村井がですか?」 「ああ。」 「君には岩崎くとにコ

14 MIN2017 NOV 5
Comments
128.1 最終話 前半

128.2 最終話 後半

26.2.mp3 「12月24日お昼のニュースです。政府は24日午前、2015年度第3次補正予算案を閣議決定しました。今回の補正予算は今年10月に国家安全保障会議において取りまとめられた「日本国の拉致被害者奪還および関連する防衛措置拡充に向けて緊急に実施すべき対策」に基づいた措置を講じるためものです。 この予算案では先ごろ国内で発生したツヴァイスタンの工作員によるテロ未遂事件を受けてのテロ対策予算の拡充として500億円。ツヴァイスタンに拉致された疑いがある特定失踪者の調査費として28億円。近年日本海側で脅威となっている外国船の違法操業対策および外国公船の領海侵入対策として海上保安庁の予算を新たに1,000億円追加します。あわせてツヴァイスタン等によるミサイルの脅威に対抗するため、新たに5兆円の防衛予算を措置します。防衛予算においては国際標準である対GDP比2%の達成を継続的に維持するため、来年度の本予算においては今回の補正予算の5兆円を既に盛り込んだ10兆円とする予定です。これで今回の補正予算における予算額は合計で5.1兆円となります。これはリーマンショック以降の補正予算としては過去最

18 MIN2017 NOV 5
Comments
128.2 最終話 後半

125 第百二十二話

23.mp3 霞が関合同庁舎の前に立った片倉は、登庁する職員に紛れていた。皆、言葉も何もかわさずただ黙々と歩き続ける。立ち止まった彼はおもむろに携帯電話を取り出して電話をかけた。 呼び出し音 「片倉です。おはようございます。」 「おはよう。いまどこだ。」 「公庁の前です。」 「なに?予定は15時だぞ。」 「なにぶん不慣れな東京です。昨日の夜金沢出て車で休み休み来ました。」 「車?」 「はい。これがあと半年先ですと北陸新幹線で2時間半とちょっとでここに来ることができたんかもしれませんが。」 「北陸新幹線な…。」 「まぁ部長との予定の時間まで随分ありますから、それまでどっかのネットカフェで休憩でもとります。」 「待て。せっかく来たんだ。俺の部屋まで来い。」 「え?」 「こっちも遠路はるばるお前が来るから、何かおもてなしをしないとと思って、その準備をしようとしていたところだ。」 「そんな…気を遣わんでも…。」 「こんな時間にまさか貴様が来るとは思わなかったから、何の準備もできていないが、空調が効いた部屋にいるほうがお前も疲れがとれるだろう。」 「あ…いいんですか?こんな田舎のいちサツカンが部

16 MIN2017 NOV 5
Comments
125 第百二十二話

126.1 第百二十三話 前半

24.1.mp3 ドアをノックする音 「来たか。」 朝倉はドアに向かって部屋に入るよう言った。 長身の男がドアを開け、ゆっくりとした動作で部屋に入ってきた。 「え…。」 片倉の存在に気がついた男は思わず立ち止まった。 「なんでお前がここに…。」 「これは…どういうことなんや…。」 「部長。これはどういうことですか。」 男は不審な顔で朝倉を見るが彼は意に介さない。 「片倉。この男に見覚えがあるだろう。」 「…え…。」 「紹介しよう。直江首席調査官だ。」 朝倉は直江に片倉に挨拶をするよう促した。 「…直江真之です。いつぞやはお世話になりました。」 「直江…やっぱりあん時の…。」 「朝倉部長。これはいったいどういうことですか。」 直江の顔には朝倉に対する不信があからさまに出ていた。 「貴様の代わりだよ。」 「え?」 「モグラは退治しないとな。」 「モグラ?」 朝倉のこの発言に片倉は絶句した。 「え…。」 「調査対象であるコミュに調査員を派遣させるも、奴らは常にそれを察知していた。」 「なんやって…。」 「公調の動きがどうも奴らに筒抜けになっている。そう考えた俺は警察を装って内密に金沢銀行にコ

10 MIN2017 NOV 5
Comments
126.1 第百二十三話 前半

126.2 第百二十三話 後半

24.2.mp3 「若林くん。朝倉部長に聴かせてあげろ。」 「はい。」 携帯電話を取り出した若林もまた、応接机の上にそれを置いた。 「工夫しろ若林。」 「あまり事を荒立てるなといっただろう。」 「ですが、あまりに突然のことでしたので。」 「その後の工夫が足りんと言ってるんだ。」 「はっ。もうわけございません。」 「しかしお前は籠絡だけは上手い。」 「ありがとうございます。」 「だが程々にしておけよ。あまり深入りすると足がつく。」 「何せ公安の奥方ですからね。」43 音声を聞いた片倉の表情が変わった。 「公安の…奥方…?」 「なんだ若林。」 「今もまだベッドでぐっすり寝ていますよ。そろそろ帰らないといけないんですが。」 「くくく…。」 「いやぁ40しざかりって本当なんですね。」 「そうか…。そんなにか。」 「ええ。ちょっとこっちが引くくらいでした。」 「はははは。この下衆男め。」 いつになく朝倉の表情が豊かである。 「部長。これは仕事です。」 「ああわかっている。からかってすまなかった。」 「こっちも必死なんですよ。何とかして奮い立たせないといけませんから。」 「ふふふ...今日のお前は

19 MIN2017 NOV 5
Comments
126.2 第百二十三話 後半

124 第百二十一話

22.mp3 「下間確保しました。」 「了解。」 「これからマサさんと下間の通信手段を抑えます。」 「わかった。くれぐれもホンボシに感づかれないように注意しろ。」 「了解。」 土岐は無線を切った。 「いい流れだね。」 「はい。」 県警本部長室の中には各種無線機が並べられ、数名の捜査員が詰めている。その中で本部長の最上と警部部長の土岐は向かい合うようにソファに掛けていた。 「七里君は?」 「安全なところに匿っています。」 「江国は?」 「情報調査本部の取調室です。今川逮捕と橘刑事告発の話を聞いてシステム改竄についてすぐにゲロしました。」 「ほう。」 「今川から県警システムの受注話を聞いたときから、鍋島の指紋情報を都合よく改竄できるよう細工を施していたようです。」 「そうか。」 「HAJAB成長の鍵を握っていた今川を抑えられ、金沢銀行システムの斡旋窓口だった橘がやられたとなると、流石に江国もどうにもならずに早々に敗北を認めたというところですか。」 「そういうところだろうな。」 「それにしても一色貴紀という男をとりまく人物のその…絆とでも言うんでしょうか…。どうしてここまで人を動かすんでしょ

15 MIN2017 NOV 5
Comments
124 第百二十一話

122 第百十九話

20.mp3 「こいつとお前を殺す。」 銃口を向けられた古田は微動だにしない。 「…心配するな一瞬だ。」 「ふっ…。」 「なんだ。」 「最後の最後でチャカか。あ?鍋島。」 「なんだてめぇ。」 「お前は散々人を殺めた。その手口は全て絞殺もしくは刺殺。チャカは使わん。そんなお前がここにきてチャカを手にした。」 「だから何なんだ。」 「相当切羽詰まっとれんな。」 「うるさい。」 古田は右拳を鍋島に向けて突き出した。 「あん?」 「鍋島。これに見覚えがあるやろ。」 そう言うと古田は握りしめていた右手を開いた。 それを見た鍋島の動きが一瞬止まった。 「村上が使っとったジッポーや。」 「それがどうした…。」 「お前が目指した残留孤児の経済的自立。それを支援しとった村上のな。」 「言うな。」 「お前が金金言うとる横で、村上は仕事を斡旋したり本当の意味でのあいつらの自立支援に取り組んどった。自分の金を持ち出してな。」 「…。」 「熨子山の塩島然り、相馬然り。村上の世話になった人間は数しれん。」 「相馬…だと…。」 「それがどうや。お前はそんな村上を殺した。それがもとで相馬は会社を厄介払いされた。そん時

24 MIN2017 NOV 5
Comments
122 第百十九話

123 第百二十話

21.mp3 「ご苦労さん。トシさん。今どこや。」 「病院や。」 「傷は。」 「幸い大した事ない。」 「…良かった。いきなりガサッっていってトシさんうめき声出すんやからな。」 「ふっ。ワシも長いサツカン人生で撃たれたのは初めてやわいや。こんでしばらく手は上がらん。」 「痛いんか。」 「あたりめぇや。だらほど痛いわ。」 「ほんだけ元気があるんやったら、すぐにでも復帰できそうやな。」 片倉は煙草を咥えた。 「トシさんを撃って、すぐさま鍋島の頭を撃ち抜く。悠里のやつここまでの腕を持っとったとはね。」 「あぁ得物はVSSらしい。」 「VSS?」 「あぁワシはその手の重火器についてはよく分からんが、SATの詳しい奴が言うにはロシア製のもんらしい。なんでも開発時に要求されたんは「400メートル以内から防弾チョッキを貫通する完全消音狙撃銃」。(出典https://ja.wikipedia.org/wiki/VSS_(狙撃銃))悠里が狙撃をしたんは丁度400メートル離れたマンションの屋上。そこから射程ギリギリの標的を見事狙撃するわけやから、あいつの腕は恐ろしいもんやと。」 「ほうか…。」 「こんだけの

18 MIN2017 NOV 5
Comments
123 第百二十話
success toast
Welcome to Himalaya LearningDozens of podcourses featuring over 100 experts are waiting for you.