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毎週土曜日 朝5:30〜5:45柔らかな語り口が評判の奈良大學教授・上野誠さんが、萬葉歌を毎週一首ご紹介していきます。歌に織り込まれた、自然・暮らし・戀愛の機微をお楽しみください。
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いづくにか船泊(ふなは)てすらむ 安禮(あれ)の崎漕ぎたみ行きし棚無(たなな)し小舟(をぶね)
嗚呼見(あみ)の浦に船乗(ふなのり)すらむ をとめらが玉裳(たまも)の裾に潮(しほ)満つらむか
これやこの 大和にしてはわが戀ふる 紀路(きぢ)にありとふ名に負ふ背の山
わたつみの豊旗雲(とよはたくも)に入日(いりひ)さし 今夜(こよひ)の月夜(つくよ)さやけかりこそ
君が代もわが代も知るや 岩代(いはしろ)の丘の草根(くさね)をいざ結びてな
秋の野のみ草刈り葺(ふ)き宿れりし 宇治のみやこの仮廬(かりいほ)し思ほゆ
山越(やまこ)しの風を時じみ 寢(ぬ)る夜おちず 家なる妹(いも)をかけて偲(しの)ひつ
たまきはる宇智(うち)の大野に 馬並(な)めて朝踏(あさふ)ますらむその草深野(くさふかの)
大和(やまと)には 群山(むらやま)あれど とりよろふ 天(あめ)の香具山 登り立ち 國見をすれば 國原(くにはら)は 煙(けぶり)立ち立つ 海原(うなはら)は 鷗(かまめ)立ち立つ うまし國ぞ あきつ島 大和の國は
籠(こ)もよ み籠(こ)持ち 掘串(ふくし)もよ み堀串(ぶくし)持ち この丘に 菜摘(なつ)ます子 家告(の)らせ 名告らさね そらみつ 大和の國は おしなべて われこそ居(を)れ しきなべて われこそ座(ま)せ われこそは 告らめ家をも名をも
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