オーディオドラマ-五の線2126.1 第百二十三話 前半
10min2017 NOV 5
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24.1.mp3 ドアをノックする音 「來たか。」 朝倉はドアに向かって部屋に入るよう言った。 長身の男がドアを開け、ゆっくりとした動作で部屋に入ってきた。 「え…。」 片倉の存在に気がついた男は思わず立ち止まった。 「なんでお前がここに…。」 「これは…どういうことなんや…。」 「部長。これはどういうことですか。」 男は不審な顔で朝倉を見るが彼は意に介さない。 「片倉。この男に見覚えがあるだろう。」 「…え…。」 「紹介しよう。直江首席調査官だ。」 朝倉は直江に片倉に挨拶をするよう促した。 「…直江真之です。いつぞやはお世話になりました。」 「直江…やっぱりあん時の…。」 「朝倉部長。これはいったいどういうことですか。」 直江の顔には朝倉に対する不信があからさまに出ていた。 「貴様の代わりだよ。」 「え?」 「モグラは退治しないとな。」 「モグラ?」 朝倉のこの発言に片倉は絶句した。 「え…。」 「調査対象であるコミュに調査員を派遣させるも、奴らは常にそれを察知していた。」 「なんやって…。」 「公調の動きがどうも奴らに筒抜けになっている。そう考えた俺は警察を裝って內密に金沢銀行にコ