竹中平蔵の日本経済講座
10min2019 JUL 5
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 1960年代の後半から、日米摩擦が始まりました。これは、最初は繊維の貿易、繊維品ですよね。服、毛織物、そういうものの貿易から日本のアメリカに対する輸出が増えたことによって始まったわけです。それが1970年代後半になりますと、今度は鉄鋼の貿易摩擦が起こります。さらに80年代に行くと、これがカラーテレビとか、極めつけは自動車の貿易摩擦というのが大変激しかったのを、私も若い頃の記憶としてよく覚えています。 ちょうど1965年ぐらいに、日米間の貿易収支が逆転するんですね。つまりアメリカの対日貿易がもう恒常的に赤字だというような狀況が、その1965年くらいから生まれてきます。そして有名になったのは1972年に日米の繊維摩擦というのがあって、當時のニクソン大統領と日本の佐藤栄作內閣の間で非常に激しいやりとりがありました。ちなみにそのときの通商産業省の通産大臣が田中角栄さんという、非常に強い、後の総理大臣になる人で、彼が前面に出てアメリカと日本の間で激しいやり取りが行われたというのを、私たちも経験いたしました。 1980年代になりますと、これがさらに広がって、80年代以降の記憶というのは今の日本の指導者には大変鮮明だと思...

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