竹中平蔵の日本経済講座

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竹中平蔵プロフィール

1951年、和歌山県生まれ。慶応義塾大學名譽教授、東洋大學教授。博士(経済學)。政府の未來投資會議、國家戦略特區諮問會議メンバー。2001年より経済財政政策擔當大臣、金融擔當大臣、郵政民営化擔當大臣、総務大臣などを歴任。2004年參議院議員に當選。06年9月、參議院議員を辭職し政界を引退。ほか公益社団法人日本経済研究センター研究顧問、アカデミーヒルズ理事長、株式會社パソナグループ取締役會長、オリックス株式會社社外取締役、SBIホールディングス株式會社社外取締役などを兼職。

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私がなぜリスナーの皆さんに日本の経済の講座を始めたいと思ったのか。それにはもちろん理由があります。私自身は、実は自分の學生たちにもよく言うんですけれども、自分で非常にユニークな経験をさせていただいたというふうに思っています。よく言うんですけれども、昆蟲學者が昆蟲になる経験をしたと。昆蟲學者というのは研究する立場、昆蟲というのは研究される立場です。私は政策研究者、経済政策を研究する研究者だったんですが、経済政策を擔って責任者になって、研究される立場になりました。別の言い方をすると「天文學者が月になった」という経験だと言ってもいいのでありますけれども、両方の立場で見ると、研究者として政府の政策を見ているときと、政府の立場に立って、そして一般の學者やマスコミの議論を聞いてみると、ずいぶんとこれは距離があると。差があるなというふうに思ったんです。その差をぜひ埋めてみたいという思いでいろんな話をさせていただいているんですけれども、政策研究者として経験したこと、そして政策の実行責任者として経験したこと、それに基づいてぜひ日本の経験を皆さんにも聞いていただきたいなというふうに思うんです。経済に関...

 1960年代の後半から、日米摩擦が始まりました。これは、最初は繊維の貿易、繊維品ですよね。服、毛織物、そういうものの貿易から日本のアメリカに対する輸出が増えたことによって始まったわけです。それが1970年代後半になりますと、今度は鉄鋼の貿易摩擦が起こります。さらに80年代に行くと、これがカラーテレビとか、極めつけは自動車の貿易摩擦というのが大変激しかったのを、私も若い頃の記憶としてよく覚えています。 ちょうど1965年ぐらいに、日米間の貿易収支が逆転するんですね。つまりアメリカの対日貿易がもう恒常的に赤字だというような狀況が、その1965年くらいから生まれてきます。そして有名になったのは1972年に日米の繊維摩擦というのがあって、當時のニクソン大統領と日本の佐藤栄作內閣の間で非常に激しいやりとりがありました。ちなみにそのときの通商産業省の通産大臣が田中角栄さんという、非常に強い、後の総理大臣になる人で、彼が前面に出てアメリカと日本の間で激しいやり取りが行われたというのを、私たちも経験いたしました。 1980年代になりますと、これがさらに広がって、80年代以降の記憶というのは今の日本の指導者には大変鮮明だと思...

プラザ合意とは、日本とアメリカ、ヨーロッパの國を含めてですけれども、多國間で1985年に1つの合意をして、その結果、世界に非常に大きな影響を與えたという合意なんです。もちろんその背景には、アメリカの大きな貿易赤字というものがあって、これはある意味で今の狀況とすごく似ているわけですけれども、そういうなかでこのアメリカの狀況を是正するために、アメリカ自身も努力するし、他の國も協力する。そうして生まれたのが実はプラザ合意というものでした。プラザ合意のプラザとは、ニューヨークにあります有名なプラザホテルを意味します。セントラルパークのすぐそばにある豪華ホテル。今は実はもうホテルではなくなって、豪華マンションと豪華コンドミニアムに変わっているんですが、ここで主要5カ國、G5と當時はいいました。日米とヨーロッパの主要各國が集まって、そこの大蔵大臣が集まって重要な會議を開いた。それがプラザ合意というものであります。実はこれにはエピソードがありまして、今でも語り継がれているんですが、この會議は大変重要な會議で、もう完全に秘密の中で開かれなければいけなかったんですね。そうしないとこういう重要な會議が開かれて...

中國でも元の國際化というのが大変話題になりました。今、中國の通貨・元はIMFのSDR(Special Drawing Rights:特別引出権)の中にも含まれていて、國際通貨としての役割を果たしつつあるわけですけれども、例えばそれでもオイルの取引、いろいろなものの取引のかなりの部分はまだドル建てで行われている部分が多い。こういうものをいわゆる國際化というふうに言うわけでありますけれども、円の國際化がどのようにして進んできたのか、それが中國に対してどのような教訓があるのかというようなことを少し考えてみたいというふうに思います。 言うまでもありませんけれども、日本の通貨、カレンシーは円です。この円が國際的に認められるようになったのは、実は1964年に日本がIMFの8條國になったと。IMF(國際通貨基金)という國際機関がありますけれども、その通貨基金の條文の中の8條の國に仲間入りをしたということ、これを「8條國入り」というふうに言うんですけれども、これはどういうことかというと、円が交換可能な通貨になるということです。自由に円を他の通貨に換えていいですよ、円をドルに換えても、他の通貨に換えてもいいですよ。これは実は當時、第2次世界...

経済がますます國際化するなかで、為替レートの役割というのが大変重要になっています。これはもう當たり前の話ですが、モノを輸出するという観點からすると、為替レートは低い値にあるほうがいいです。円が安い、元が安い。そういうときには日本、中國の輸出は高まります。輸入も同じで、通貨が安いときのほうが相対的には輸入価格が高くなるので、輸入を減らすことができる。したがって貿易収支に焦點を當てるならば、通貨は安いほうが有利だと。これは一般的な原則としては言えるわけです。 一方で、例えば海外に旅行する人の立場を考えてみましょう。そうするとどういうことかというと、これはですね、通貨が高いほうがいいに決まっているわけです。通貨が高いことによって海外に行く旅費が安くなるわけでありますから、これは大変國民にとってはメリットがあります。そして通貨が高くなるということは、輸入品が安くなるということですから、國內の消費者にとってはそのほうにかなり大きなメリットがあります。 したがって、通貨は高いほうがいいか安いほうがいいかということに関しては、しょせんこれは水掛け論で、一般的にいうと生産をして輸出をする側、輸出を...

今回と次回2回にわたって、日本の外交、とりわけ経済外交の話をしてみたいと思います。 日本は島國であって、海に囲まれていて、そしてエネルギー等々の自然資源を持ちません。ですから対外的な関係、外交をしっかりと行って、そしてしっかりと輸出と輸入を確保していくということが重要なことは、もう言うまでもないと思います。日本の外交の基本的な力、いちばん大きな力というのは何だと思われますでしょうか。やはりそれは経済の力、経済力だと思います。 実は外交の世界では、「Market Threat(市場の脅威)」という言葉があります。例えばアメリカを考えてください。アメリカは非常に大きなマーケットを持っています。そして、このマーケットを閉ざすぞと。あなたの國からもうモノを買わないぞ、というようなことを言われますと、相手の國は大変困るわけで、この大きな市場を持っているということが相手に対する外交の力、場合によっては脅威(threat)になる。これがMarket Threatという言葉です。実は日本経済も、今は世界でGDP第3位、10年ぐらい前までは第2位だったわけですから、この経済力を背景に外交を行ってきた。Market Threatというのが引き続き重...

第二次世界大戦後、比較的最近の時期の外交に絞ってみますと、実は地政學的な要素、そして地政學的な要素を踏まえながら様々な微妙なバランスをとりながら、うまい外交をやっていくということが極めて重要になってきているというわけです。「地球儀を俯瞰した外交」: グローバル化が進むなかで、世界各地でいろんな事情を抱えながらいろんなことが起こってくる。その地球儀全體を見ながら日本はどうあるべきか、日本はどのような外交政策をとるべきかということをしっかり総合的に、かつ戦略的に、そして長期的な視點に立って考えていかなければいけない。これが地球儀を俯瞰する外交ということの意味だと思います。さて、そういうなかで日本の地政學的な意味を踏まえた日本の外交の姿勢を見ていきますと、やはり一貫した一つの動きがあったというふうに私は思います。実は日本の外交で同盟関係、同盟を結んだということを考えますと、最も明確に同盟を結んだのは、実は1902年の日英同盟であったというふうに考えられています。日本と遠く離れたイギリスが同盟を結んだ。これは実は大変明確な地政學的な意味があったわけで、當時ロシアが力をつけて、アジア、極東地域...

第2次世界大戦で日本は敗戦國になりました。そして広島と長崎に原子爆弾での攻撃を受けるという非常に厳しい狀況もあり、日本の経済はまさに焼け野原から出発したわけです。その當時、日本が持っていた船の約半分は失われたというふうにいわれています。そして日本にあった石油精製の設備の約8割は破壊されたというふうにいわれています。  そういうふうに、ほとんどゼロからの再出発、焼け野原からの出発になったわけですけれども、そのとき、実は最大の問題はインフレを抑えることでした。何といっても、もう生産設備がないわけですから、ものが不足します。ですから大変なインフレになるわけですよね。當時、ある資産家がたとえば國に頼まれてたくさんの國債、國の債券を持っていた。しかし物価が數十倍、100倍にもなるような狀況の中で、その債券というのは紙切れと同じような価値しか持たなくなって戦前の資産家が一気に貧しい生活をするようになったというような話も當時はたくさん聞かれました。  このインフレを抑えるということが必要であったわけですけれども、そのためには、やはり財政を引き締めなければいけない。しかし財政を引き締めると経済はますます...

Himarayaをお聴きのみなさん、こんにちは。日本の內閣で大臣を歴任してきました竹中平蔵です。 いま世界中で第4次産業革命が進み、世界が一つの大きなネットワークでつながりつつありますよね。そんな中、大きく飛躍した中國経済ですが、アジアで経済発展を遂げてきた日本の経済を知ることで、この新しい時代を生き抜くためのヒントをお伝えしたいと思います。日本の強みと問題點はどこにあるのでしょうか。毎回10分強の時間で紹介したいと思います。あなたのビジネスに役立つ、そういうヒントが見つかればよいなというふうに思っています。 それでは今回は日本の高度成長時代のお話をさせていただきたいと思います。日本の経済、第2次世界大戦で大きな打撃を受けたあと、傾斜生産方式などによって少しずつ立ち上がっていくわけですけれども、それを踏まえまして1960年代に日本は高度成長の時代を迎えます。日本はどうして高度成長を成し遂げることができたのか、そういったメカニズムを中心に今日はぜひ、お話したいというふうに思っています。 60年代というのは日本にとっては重要な時代でした。60年代、日本のGDPが當時の西ドイツのGDPを超えて世界第2位に...

 日本で「ベンチャービジネス」という言葉が比較的広く使われるようになってきたのは、1970年代から80年代ぐらいにかけてだったのではないでしょうか。 「ベンチャー」が出てきたときに、「ベンチャー三銃士」という言葉が使われました。日本を代表するベンチャリストとして、よく3人の名前が挙げられ、孫正義さん、H,I.S.という旅行代理店の創業者の澤田秀雄さん、そしてパソナという人材派遣會社の社長の南部靖之さんです。 孫さんが率いるソフトバンクが様々な大きな事業を行っていることは、世界的にも知られていると思います。中國を代表する企業のアリババや、配信アプリのディーディーなんかにも孫さんは多額の出資をしていますから、中國でもよく知られていると思います。  そして、孫さんがよく話す言葉があります。あの頃ベンチャー企業、要するにお金を儲けよう。投資をしてしっかりとしたビジネスを立ち上げようという思いでたくさんの人がベンチャー企業をつくった。しかし、その中で殘ってきた人はごくわずかである。その殘ってきた人がどういう人かというと、お金を儲けようということで始めた人ではなくて、「自分の力で社會を変えたい」、「社會をこの...

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